相続発生前のご相談について
相続発生前にできること
相続は被相続人が亡くなったときに発生するものですが、亡くなる前に準備しておかないと、相続が発生した後に相続人が苦労するケースが多くあります。
特に相続後に相続人の間で争いが生じてしまうことが予想されるようなケースでは、あらかじめ争いを防ぐために遺言を作成しておく必要があります。
また、遺言を残したとしても、相続人の間で争いになるケースもあり、それを避けるために、生きている間に財産を移すという方法をとった方が良いケースもあります。
財産や相続人の状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。
相続発生前に司法書士がお手伝いできること
自分の状況に合わせてどのような方法を選択することが適切かを、自分自身で判断するのは難しいことです。適切な方法を選択するには、相続を多く扱っている専門家に相談することが大事です。
司法書士は多くの相続事例を扱う法律事務の専門家であるため、リスクの低い適切な方法をアドバイスすることができます。
また、司法書士は、遺言の作成や、生前贈与の手続き、必要があれば信託の利用といったこともすべてお手伝いすることもできます。
他の法律家に依頼した場合、登記手続きについては別に司法書士に依頼する必要がありますが、司法書士であれば、そうした手間もなくワンストップですべて手続きを行うことができるというメリットがあります。
相続前に押さえておきたいポイント
相続が発生する前に必ず押さえておいてほしいポイントがいくつかあります。
- POINT01
- 今までの相続の手続きが本当に完了しているのかチェックする
- 相続の準備というと、どうしても自分が家族に相続するということにばかり目が向いてしまいますが、先に亡くなった家族がいて、自分がその財産を相続している場合は、まずはその相続手続きが本当に完了しているのかを確認する必要があります。 もし、この手続きが完了していないのであれば 、早急に完了させる必要があります。特に不動産の登記については放置されたままになっているケースもよくあるので注意が必要です。
- POINT02
- 遺言の作成
- 次に、遺言を作成しておく必要があります。相続人の間の争いを避けるためにも、遺言は確実に有効な形で作成しておく必要があります。
- POINT03
- 財産目録を作ってわかりやすいところに保管しておく
- 相続が発生した場合、どのような財産が残っているのかを相続人が調査する必要がありますが、亡くなった人の情報なので正確に把握することが難しいケースが多くあります。調査のために多くの時間や費用がかかるケースも少なからずあります。 そうした相続人の手間を省くためにも、生前に自分の財産がどこにどれだけあるのかということを目録の形で文書にして残しておくことが望ましいです。 そして、その文書を遺言とともに相続人がわかるような形で保管しておく必要があります。2020年(令和2年)7月10日からは、自筆証書遺言を法務局で保管できる制度が始まるので、法務局に保管することも可能になります。
- POINT04
- 不要な財産を整理しておく
- 相続が発生したときに不要な財産や処分の難しい財産が残っていると、相続の手続きが複雑になります。そのため、あらかじめ財産を整理しておく必要があります。具体的には、預金口座を一本化する、不要な財産のうち売却手続きなどに時間がかかるものをあらかじめ売却しておくなどの方法をとる必要があります。
相続が発生した後に残された家族が苦労することがないよう、間違いのない形で相続への備えを完了させることが大事です。